びと辞苑「えいごう」

えいごう[永劫]
無限に長い年月。未来−−。

 おっさん達が校庭に集まる。その中にひとり子供。
「ケンちゃん、ひさしぶり!」
 おっさんのひとりが、子供に近づく。
 ケンちゃん、と呼ばれた子供は、露骨に不審な表情を浮かべる。
「ケンちゃんは、昔のままだなぁ」
「うん。昔のままだ。だけど、それがいいんだよね。ケンちゃんは、頭もいいし面倒見もいいし、俺達のリーダーだったから」
 その時、
「お前達、正気かよ……」
 ケンちゃんが、つぶやいた。
「正気って……。ケンちゃん、どうしたんだ。俺達、ケンちゃんだけが頼りだったんだよ。今も同じさ」
「だけど……もう、やめよう。同窓会は、今年で終わりだ」
「早く死んじゃったのは、残念だけど、でも、幽霊だとか、そんなの、全然、気にしてないよ」
「あのな、俺は迷惑なんだけど……こんなの、やっぱり変だよ。もう、放してくれ。俺は、ここには居たくない」
 ケンちゃんが、沈んだ声で、そうつぶやく。
「ケンちゃんは、強い子じゃん」
「俺たちを、見捨てないでくれよ」
 おっさん達が、口々に訴える。
 ケンちゃんは、意を決したように、おっさん達に向かって怒鳴った。
「だけど……もう、幽霊につきまとわれるのは、嫌なんだよ。悪いけど。もう、出てこないでくれ! 頼む、成仏してくれ!」

 ……。

「どうですか」
「あ、教授。先程から、脳波が少し強くなってます。今、目が覚めたのでしょうか」
「もう70年も生きているんだな、この「脳」は」
「はい。私も、面倒を見はじめて、かれこれ5年になります。最近は、話しかけると、ちゃんと返事してくれるんですよ。見てくださいよ、その脳波ゲージを。……ケンちゃん、ケンちゃん……おはよう!」

→びと辞宛 

コメント

  1. びといん より:

     えー、まぁ、夢オチ、幽霊オチの一種ですね(笑)。
     でも、一応、誰の夢なのかを混乱させようと意図してます。
     元作品では、もっと何段階にも誰かの夢とか実験台とかになって、ごちゃごちゃしてます。読んでいて飽きるので、今回は、最初と最後をむりやりくっつけました。

  2. びと辞苑「おととい」

    おととい[一昨日] 昨日の前の日。おとつい。いっさくじつ。古語の「ヲチツヒ(遠つ日)」が転じた語との説あり。 「ねぇ、ちょっと、聞いてくれる?」  ユウコは、親…

  3. 酢鶏 より:

    万一に備え英空軍機が護衛した。
    すどえい_| ̄|○
    2ちゃんと同様、死因が判明しなかった」” http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1094626554/

  4. びといん より:

    酢鶏へ
     意味わからん!