びと辞宛「序」

 人類たるもの、ほぼ例外なく知識吸収に対して貪欲であろう。それが本人の意識的か無意識かには関わらずである。たとえば単純に生きるために必要たる−−すなわち本能の部類に属する−−行動だとしても、すでにその時点において、「生きるために」として知識吸収を行っているのである。「知識は身を助ける」と先人はおっしゃった。それも全く然りである。
 が、しかし、その裏には無益として捨て去られる物、さらには、その存在すら気づかれず埋もれてしまう物も多い。すなわち、意味のない、知識にならぬ知識。そうしたものにも目を向けようではないか。別に博識面するつもりはないし、そもそも、そんなに大それたものではない。一度脳を通過させていただくだけでも良い。そんな気持ちで我々は、「訳の分からない辞典」を第一の方針として、この「びと辞苑」を編集した。読まれた諸兄が、ひとこと「くだらない」とつぶやいていただければ本望である。
 最後に、次の名言を引用して、序言とさせていただく。
「倉庫にはたいてい、いつか使うかも知れないと言う便利な道具に混じって、どうしようもないガラクタもたくさん置いてある。しかしほとんどの人は便利な道具を使う機会よりもガラクタで遊ぶことの方が多いのではなかろうか。そして、ガラクタでも決して無用ではない。「脳」という名の倉庫も同じようなものだ」(18世紀の言語学者兼心理学者、アイザック・アズナブール)

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8 thoughts on “びと辞宛「序」

  1.  えー、相原コージさんの漫画「コージ宛」のように、五十音順のお題で、ショートショートを書いていきます。
     びといんなので、「びと辞宛」。
     これも、例によって10年前に草の根BBSでやってた企画のリバイバルです。
     既存作品と、新作がまざってます。

  2. びと辞宛「あまかける」

    あまかける[天翔ける] 神や人の霊などが大空を飛ぶ様子。 関連語→天下る 「やあ、あなた、なんだか元気がありませんな」 「さっき自殺したばかりだからでしょうか」…

  3.  ちなみに、初期の序文の最後には「言葉は文化です。おおいにもてあそびましょう(S・ヤマシロ)」になってました(笑)。

  4. >初期の序文の最後

    あ、白馬童子のアイアイゲームだ!
    「チョメチョメ」ですね。(笑)
    これはこれで味がありますね。

  5.  そうそう。チョメチョメです。白馬童子は知りませんが(苦笑)。
     まぁ、あまりにもベタなので没になったんです。
     当初は他のメンバーとの共同企画だったし。

  6. びと辞苑「いまがわやき」

    いまがわやき[今川焼] 水に溶いた小麦粉を、平たい円形の焼き型に流し、餡を入れて焼いた菓子。  今川焼、好き。というか、餡が好き。大福とか、しることか。  洋菓…

  7. びと辞宛「うごかす」

    うごかす[動かす]他五 (1)動くようにする。位置を変える。「机を−−」 (2)状態を変える。ゆるがす。感動させる。「聴衆の心を−−」 (3)否定されている事や…

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