風呂敷廃棄命令


 昨年のクリスマスイブ。嫁さんと買物に行き、いつものように愛用の風呂敷にワインボトル等々を包んで運搬していた帰り道。結び目が解けて風呂敷包みを落下させてしまった。歩道に広がるワインの香り。
 とりあえずは、ワインが滴る風呂敷包みを嫁さんが持参していたレジ袋に突っ込み、帰宅した。

 我が家ではハレの日に飲むのが恒例のネコワインことドイツのシュワルツカッツを開けるのを楽しみにしていたのに……。

 帰宅して、キッチンシンクの中で風呂敷包みをそっと開ける。もちろんネコワインはダメだが、一緒に包んでいた——これまたいつも愛飲している——タカラ焼酎ハイボール<ドライ>缶のひとつにボトルの破片が刺さってぴゅーぴゅーと中身が吹き出している。想像を絶する状態だった。
 この穴の空いたハイボールは、その場でスタッフがおいしくいただきました。

 さて。ボトルの破片を片づけて早く風呂敷を洗おう、と思ったが、生地に刺さっている微細なガラス粉砕片を取り除くことができず、怪我をしそう。
 嫁さんも
「危ないよ。お気に入りだろうけれどサヨナラした方がいいよ」という。
 そうだね。安全に処理しきれないので、泣く泣く廃棄することにした。

 この「いせ辰千代紙『かまわぬ』柄」の風呂敷。
 とても気に入っていて、普段は仕事用のバッグに常備して携行、荷物が増えた時にも重宝した。近所への買物の時や、仕事で書類を持っている時にももちろん使う。風呂敷はホント便利なのよ。
 かまわぬ風呂敷は、だいぶくたびれてはいたけれど、こんな事がなければまだまだ使えたはず。

 先日、やっぱりどうしても同じ風呂敷が欲しくなり、ネットショップで注文した。
 その時ついでに、この風呂敷はどのくらいつかったっけ? と過去の日記を検索してみたら、買った(注文した品が届いた)のが、2010年12月25日。廃棄したのが2020年12月24日なのでちょうど10年使ったことになる。
 もちろん、このちょうど10年というのは偶然なのだが、改めてそれを確認した今、廃棄してしまったことをとてつもなく後悔している。

 今日、新しい風呂敷が届いた。二代目かまわぬ風呂敷さん、末長くよろしく。

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