ぼうず頭のガキ

「この道はもっと狭くて もちろん舗装なんかしてなかったんだ」

 公園から高台へと続く坂道で 目を細めて話すその姿が
 ぼうず頭で半ズボンのガキに見えて

 そいつはジャリ道を駆出して行った

 親父の子供の頃なんて 知っているはずもないのに
 なんだか身近に思えた

「この道はもっと狭くて もちろん舗装なんかしてなかったんだ」

 日向夢想/夢想人企画

あぶすとらくと1966

 初出 1991年5月 びといんねっと
 自家製本詩集「1966」(1993/06)収録

 参加 いつかなりたい小説家

コメント

  1. ろぷ より:

     いろんな話がぎゅっと濃縮されていますね。
     お父さまと、素直になれず大きくなった息子を想像したしました。
     詩をあんまり解体したら風味がなくなりますね。これくらいにいたします。

     そういえばもうすぐ父の日ですな。

  2. びといん より:

     この詩、公表したのは1991年ですけど、原型は、中学生のときの日記です。
     そうか、父の日ですね。親父の墓参りでもしてこようかな。