玉猫戦隊オーブファイブ 復活の尾藤(中編)

 復活の尾藤(中編)

 城北大学・研究室の爆発事故から約半年後。結局、事故は外部からの侵入者による破壊工作が原因と判明し、尾藤はその刑事責任を負うことなく、放免された。
 尾藤自身は、事故を起した実験装置の実質的な研究責任者であるとし、原因がどうであろうと、社会に迷惑をかけたことへの償いはするつもりだと主張し続けた。だが、その真摯な態度も、放免へとつながった。
 しかし、今更、研究室へ戻れるはずはなかった。いや、もしかしたら同僚たちは、また迎え入れてくれるかも知れない。だが、元のように研究開発に打ち込める自信は、全て消失していた。
 無駄に消費する日々。

 ある日、警察から連絡が入った。
「え? また爆発!? 分かりました。今から伺います」
 廃虚で爆発事故があり、残された証拠から、あの時と酷似した装置が暴走したらしいという。
「しつこいですよ! 私は、あの研究室の事故以来、いっさい何もやっていない!」
「しかし、尾藤さん。あなたが作ったあの装置。あれと似た物が作られ続けているんですよ! 最近、立て続けに5回だ!」
「逃げるつもりは毛頭ないが、私は知らない!」
 散々もめたあげく、やっと開放される。
 あてもなく街を歩いていると、誰かに呼び止められた。
「尾藤さん……」
 声の方を向くと、大柄の男がいた。
「尾藤助教授、ですね」
「もう助教授ではないですけど……いや、それより、あんたは?」
「馬場と申します。少し怪しいかもしれない者ですが、悪意はありません。根はいいやつです!」
 その飄々とした言い様に、尾藤は唖然とした。
(新手のキャッチセールスか?)
 しかし、これといって予定があるはずもなく、ひとつ遊び相手になってもらおうと、返事をしてみた。
「怪しいのか。どのように?」
「いや、ひとことでは言い表せません。しかしですね、尾藤さん。俺たちは、あなたを必要としてるんですわ。それだけは確かです」
「俺はもう、腑抜けですよ」
「あぁ、もう、じれったい! 科学者としてのあなたを、スカウト、ですよ!」
「え?」
 尾藤の目が輝いた一瞬を、馬場は見逃さなかった。こういう相手には正直にありのままを語るに限る。馬場は、心得ているのだ。
「まぁ、ばらしますと、特務機関KINUSAYAなんですわ。好きな研究を思いっきりできます。もちろん、それを役立てていただきます。世界平和のために」
「……突拍子もない事を。誰が信じますか」
「あなたが信じてくれます」
「……俺が?」
「そう。尾藤さんの目、まじですよ。私には分かります」
「こんな道端で、そんな事言われても、信じろという方がおかしいでしょ」
「たしかに。じゃぁ、気が向いたら、ここに来てください」
 馬場が、名刺を差し出す。
「有限会社馬場鉄工所……」
「はい。世を忍ぶ仮の名称です」

 三日三晩、悩んだ。
 馬場からもらった名刺をゴミ箱に捨ては拾い出し、また捨てて……。
 気がついた時には、名刺に書かれた住所に、たたずんでいた。
 しかし……。
「鉄工所なんか、ないじゃないか。くそぉ、騙された!」
 尾藤は、目の前の奇妙に重厚な扉にこぶしを叩きつけた。
 その時、
「おや。来てくれましたか!」
 振り向くと、馬場が満面の笑顔で立っていた。
「ささ、どうぞどうぞ」
 肩を押され、否応なく、扉の中へ押し込まれた。
 尾藤は、さっきの怒りが消え、なぜかワクワクした気持ちになりはじめていた。

 つづく

ねこぱんち!
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玉猫戦隊オーブファイブ 復活の尾藤(中編)” への10件のコメント

  1. 〜【玉猫戦隊オーブファイブ】 第二 リンクリスト 〜

    最終更新日:2004.10.26 AM02:06 「玉猫戦隊 オーブファイブ」をご愛顧いただき、有難うございます。 リストは、時々刻々変化しております…

  2. ★びといんさん
     放送回の件、了解です。
     11回の偽オーブを後半にして、これを『11話』に編入しますので、よろしくお願いします。^^/

  3. 尾藤の家族構成については触れられてないですけど、とりあえず、独身、一人暮らしってっことでOKでしょうか?

  4. カオリ「尾藤さんって、素敵なのよねえ」
    チオリ「カオリン、目がハートになってるよ」

  5. あなたが尾藤さん?(じろじろ)
    大将から、すごい人がくるからって聞いてたんですけど。
    よろしく、私、玉造です。

    あ、デスクは好きなところ使って下さい。

    それ?コンバットスーツです。
    触らない方が・・・。

  6. ぷよぱぱさん江
     お手数をおかけしました。

    すしバーさん江
     えぇ、尾藤は独身です。科学しか知らない堅物ってことで(笑)。ってのはともかく、妻子持ちのZさん、バツイチの大将との色分けという意味でも、独身で。

    Kenさん江
     カオリさん、いや、尾藤はむさいおっさんですよ。

    玉造さん江
     うぉっ! もうちょっと早くいってくださいよ。なんか変なスイッチを押しちゃいました。勝手にブルブル唸ってますよ、これ、どうすりゃいいんですか!?

  7. えっと・・・、そこ押したら・・・、爆発はしないけど止め方を考えてませんので・・、とりあえず初仕事は、ソレを止める方法を考えてください。
    小型の核融合炉は内蔵されてますから、そこだけは注意して・・・お願いします。

  8. 大将のスカウトシーンあたりのテンポが良くてかつ熱いです。こういうの好きですね。

    後編でのびといんさん流「馬場鉄工所」の描写が楽しみです。

  9. 玉猫戦隊オーブファイブ 復活の尾藤(後編)

     復活の尾藤(後編) 「尾藤さん。鉄工所が、なぜこんな地下にあるのか、と思ってますでしょ?」  長いエスカレーターを降りる途中、馬場がそう言って笑った。 「誰だ…

  10. 馬場(すしバー)さん江
     エンジンは大将の方が専門でしょう!
     自分でなんとかしてください。

    マンガーZさん江
     テンポよいというか、早く馬場鉄工所の風景を書きたかったので(笑)。
     で、さきほどそれをアップしました。
     なんかダラダラとながくなっちまいましたが。

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