小説「仮面ライダー−誕生1971−」を読んだ

 仮面ライダー大好き主婦・ルカ☆さんが紹介していた「仮面ライダー−誕生1971−」を読んだ。

4063304116 仮面ライダー—誕生1971
石ノ森 章太郎 和智 正喜
講談社 2002-06

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 単純なノベライズにとどまらない、熱い内容だった。
 テレビ放映版や原作漫画をふまえて、より重い(本来の?)テーマを前面に打ち出したハードなストーリー。雰囲気的には、昨年公開された劇場版「仮面ライダー THE FIRST」に近いかな。恋愛描写は皆無だけど(笑)。

 この作品、まず大きな前提がある。

藤岡弘の不慮の事故によって、佐々木剛がキャスティングされ、2号ライダーが誕生したのは、本書を手にしている方には、もはや説明不要の有名事だろう。この事例によって、仮面ライダーは複数化を余儀なくされた。もちろん、それを否定する気は毛頭ないのだけど、この小説は、藤岡弘が事故を起こしていない可能性に基づいて書かれている。

 巻末の解説にこう書かれているとおり、この小説世界では、後にも先にも「仮面ライダー」は本郷猛だけということだ。
 そして、本郷の改造人間としての苦悩も細かい描写によって丁寧に表現されている。
 ショッカー側の描写も、素晴らしい。文字だけの表現なのに、場面がすぐに浮かぶ。もちろん、子供の頃から見ているテレビドラマの中の記憶で補完して頭の中に作られた場面ではあろうが、何しろ、ハードだ。ネタバレになるのであまり書かないけど、ショッカー幹部たちも格好いい。たぶんあの幹部を元ネタにしているのだろうとすぐ判るコードネームで呼ばれるキャラは、よりハードな設定を背負って登場する。
 それと、さりげなく(?)挿入されてる1970年代に実際にあった出来事が、リアルさを醸し出していている。

 素晴らしい作品だった。
 続いてvol.2も読む。

4063304124 仮面ライダー〈Vol.2〉希望1972
石ノ森 章太郎 和智 正喜
講談社 2003-05

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小説「仮面ライダー−誕生1971−」を読んだ” への3件のコメント

  1. 本来、仮面ライダーって、ヒーローの悲しさと理解されない苦悩、それでも戦わねばならない宿命。なんかを描くべく作られたものなんですよね。
    多分アメコミのスパイダーマンよりも早かったんじゃないかな?

    ただ、藤岡弘、が事故ってなかったら、多分、V3も・・・もっと言うと今のカブトもなかったんじゃないだろうか?と思うんですよ。

  2. 本郷ライダー、しかも旧一号しかいない世界なんですね。
    ある意味、新鮮です。
    てことは変身ポーズがなかったり、少年ライダー隊も…?
    まぁ、少年ライダー隊はいらないですけどw

  3. すしバーさん江
     原作漫画は、かなり重いですもんね。キカイダーも変身忍者 嵐も。
     藤岡弘、さんが事故ってなかったら、V3以降はなかったかも知れないですね。
     でも、現在に至まで血統が続いているというのも悪くはないと思います。平成ライダーも、子供たち向け要素と親世代向け要素とを盛り込むべく努力しているというのはちゃんと伝わってきますし。

    somedayさん江
     俺らの世代では、本郷ライダーひとりしかいない世界ってのも「これが本来の設定」として語り継がれている、ある意味メジャーなifです。
     石ノ森さん自身も、度々「本当に仮面ライダーと呼べるのは本郷だけ」と言ってたようですし。

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