ジブンの興味

 コレクションや大切にしているものを家族に勝手に処分されたという話を、SNSやテレビのバラエティ番組などでよく見聞きする。
 コミック本やガチャガチャ等、単価が安いものでも、たくさん集めたものをごっそり捨てられたりしたら悲しいという単純な感情では済まないし、たとえば骨董品のような、ある程度一般的にも価値を認めてもらっている、しかもガチャガチャとは比較にならないくらい高価な物品を処分されたら、簡単には立ち直れない。
 幸い、我が家ではそういうことはない。

 俺は、気になったキャラクタープラモデルをいくつも買置き(通称積みプラ)したり、ナノブロックやフィギュアを買い、ピンバッジを集めている。他にもあるが以下略。
 そのどれもが大熱狂的マニアとかガチのコレクターというほどではないが、特にガンプラ(ガンダムのプラモデル)は積みプラが常に40個程度あり、組立て完了した後も保存するので、増える嵩《かさ》が多い。
 でも、嫁さんや子供たちに買うのをやめろとか捨てろとか言われたことはないな。
 理解ある家族でよかった(諦めているのかもしれないけれど)。

 もちろん、俺も家族の趣味嗜好に対してあれこれ言う事はない。
 コレクションや現在夢中になっている事を熱く語った/語られた場合でも、自分が興味のないことに関しては特段の尊重もしないし反応が薄い事も多々あるが(笑)けっしてけなしたり否定したりはしない。
 うちの家族は皆、お互い常識的な生活をして迷惑をかけなければ、それで良いと考える。

 ふと、これって、ネコとの距離感にも似ているかなと思う。
 興味があれば一緒にじゃれるが、そうでなかったとしてもただ傍《そば》でだまって聞くだけで、褒めるもけなすもしない。

 いやいや、無関心家族ということではない。

 時々、その「興味」が一致した時の楽しさといったら、表現しようもないほどだ。
 嫁さんと一緒にウクレレを弾いたり。
 息子と建築番組の録画を観ながら、俺が専門家面で解説やウンチクを言うと「へぇ。なるほど!」と喜んで感心を示してくれたり。

 同じ趣味が多いことに越した事はないのだろうが、そんな事は希だろう。
 家族も含めて、まわりがどうこうではなく、自分が楽しむための趣味なのだから。そういう意味では、我が家のそれはとても快適だ。

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