ちょっと前のこと。
友達からケータイにメールが届いた。
「いきなり変な事聞いてごめん。びといんのお父さん、痩せ形で、背はあなたと同じくらいでしたか?」
「そうだけど、何か?」
その友達とは、親父が亡くなった後に知り合ったので、もちろん親父とはまったく面識はないし、俺が親父の事を話した事も無いはず。
「やっぱり……ずっと、気になってたんだけど。……気を悪くしたらごめん。先週、お宅にお邪魔した時に、部屋にいたんだよ」
「親父、来てたのか!」
気持ち悪いとか、そういう気持ちは全然感じなかった。
信じないというのではなく、俺には見えないし感じないからね。色々な意味で、まったくわからん。
友達が最初「びといんのお父さんの特徴はどういうの?」とか言ってきたのなら、疑いの気持ちを持つだろうが、俺に問わずとも体型と背丈を当てたし。
それはともかく。
「なんだか、見守っているような……」
「そうかぁ……久し振りに大勢のお客さんが来て騒いだから、何事かと心配になってきたのかな」
「そんな感じだった」
「へぇ。教えてくれてありがとう」
友達が見た親父は、痩せた姿だったんだね。
よかった。
親父は、ずっと頬がこけたガリガリだった。それが普通だった。
末期入院中の、変に全身がむくんだ姿じゃなかったんだね。
ねこぱんち!
→俺育て!虎ヘッド風味:第二部:ここんところの夢
コメント
うわぁ。不思議な話ですが、信じたいお話です。
俺も自分に近しい人がそういう形で出てきたら気持ち悪いとかそういう感覚はないと思うなあ。だって好きな人が近くにいてくれたらそれだけで嬉しいと思うし。
ただ、俺は霊感ゼロなんで気づけないんだろうなあ。
こういう世界ってちゃんとあって、こういうことって起こりえるのかなあ。そしたら自分もいつか自分の好きな人の様子を見にいけるんだろうか。
そう思うとなんか嬉しく感じます。
全然縁のない人間だったんですけど、数年前に祖母を亡くして以来、ちょいちょいと見ちゃうんですよ。
肉親は怖くないです。でも見ず知らずの人は怖いですね。
エントリーに書くとコメント貰えそうになかったので書かなかったですけど。夏の怪談にしようかなー、とか。
マンガーさん江
俺も霊感はまったくないので「信じるか信じないか」の論議は、できません。「見えない=あり得ない」とは、決して思ってないです。
そんな凡人でも、過去に何度かは、「虫の知らせ」みたいなのを感じた事はないですか? 要するにそれの強弱なのかな、と思ってます。
少佐さん江
少佐さんも感じられる人ですか。
んー、俺の場合は、夢すら見ませんね。
もし親父が来たら、言いたい事は山ほどあるんだけど(だから、来ないのか!?)。
私にも見えないものが見えちゃう友人がいるんですけど、彼女が言うには見えない方がいいらしいです。
でもこういうケースならたまにはいいかもしれませんね。
来てた、って思いたいですね。
でも、科学的にというか、合理的に考えると、見たことは無いけどその人の肉親の姿がけっこうリアルに想像できることってあると思います。
そういう、霊感みたいなのが強い人っていうのは、微妙なにおいからリアルに脳内に映像を作り出せるんでしょうね。
というよりも、びといんさんが、親父さんの雰囲気をまといはじめたんでしょうね。
そういうのひっくるめて「守ってる」とかいうんじゃないでしょうかね。
あるてぃさん江
見えない方がいいのかも知れないけど、極たまに、どうしても故人と再会したいって事もありますからねぇ。
すしバーさん江
そういう事かもしれませんね。
相変わらず、絶妙な解釈です! 感動ですわ。