網膜裂孔のレーザー治療

 網膜裂孔になってしまい、その治療の過程をメモとして記事にしておく。グロい事は書いていないが、嫌な方は読まないように(笑)。

 先月。どうも視力が落ちたようで、特に左目が見えにくいなと思い、眼鏡を新調すべく、眼科へ。
「眼圧が高いし強度の近視なので気をつけてください」と、毎度同じことを言われただけ。確かに視力は低下していたが、特に異常はみとめられず。
 それから二週間経過した10月中旬の夜。テレビを見ながら焼酎ハイボールなどを飲んでくつろいでいると、目の前に紐が。髪の毛が垂れてきたのかと思ったが、今はかなりの短髪である。元々少し飛蚊症があるのだが、今まで経験したことのないようなかなり濃い浮遊物が視界に。そして直後に、目の前が砂嵐状になった。
 うわぁ、なんだこれは! 左目だけの異常。

 痛みは全くないが不安で寝られなかったまま、翌日眼科へ。朝には、砂嵐だけではなく、まわりがかなり雲って見える。相変わらず左目だけで、右目は問題なし。
「網膜剥離」という言葉が浮かんだ。

 その当時の視界再現イメージ。上から、通常の視界、左目だけで見た視界、両目で見た視界。(クリックで大きく表示)
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 近所の眼科。視力、眼圧、眼底写真撮影など、ひととおりの検査をしてから診察。
「眼底出血してますね。見たところ網膜剥離はしていないようだし、(視野が黒く欠損していないなので)出血だけだとは思います。来週またきてください。でも異常があったらすぐきてくださいね」
 って事で、止血の内服薬を処方されて帰る。本当にそれだけか?
 濃い飛蚊症(浮遊物)は出血。それで水晶体が濁って、曇ったり砂嵐になっているのだそうだ。

 一週間後。
「出血は止まって、少し濁りは減りました。でも一部見えない所があります。やはりまだ目視では無理なので、剥離はないと思いますが発見は早い方がいいので、大きな病院で超音波で診てもらってください。紹介状を書きます」
 それで、翌日、J大学付属病院へ。
 10時15分に外来初診受付をして、検査してもらったのが正午過ぎ。呼ばれるまでまだかかるので、先に食事をしてこいと言われる。15時30分頃にやっと診察。
「決定的な網膜剥離はありません。もっと濁りがすくなくなるまで、お近くの眼科でもいいので定期的に通院して経過観察して、全部見えるようになったら、詳細確認しましょう」
 終ったのは16時半。丸1日かかった。大きな病院はこれだから嫌だ。

 そんなこんなでさらに二週間、近所の眼科へ通院。
 砂嵐も曇りもだいぶ少なくなってきて安心していたのだが、ここで衝撃が。
「だいぶ濁りがなくなりましたね……で、見えるようになった所……穴、空いてるよ。左目、1時の方向。穴の周りが剥がれかかってる」
 診察の前に撮った眼底写真を見ながら説明を受ける。
 サラっと言う。網膜裂孔だと。
「今まで見えなかったからね、しょうがないんです。超音波でもこれはみつけにくい。レーザーで済むと思う。すぐに、明日にでもまた大学病院へ行って、レーザーで大丈夫か手術になるか相談してきてください」
 かなり大事になってきた。

 再び、J大病院へ。
「濁りがなくなったので、穴が見つかったのね、うんうん、なるほど。これ、まだレーザーでできるから、今日これからやっちゃいましょう」
 即日かよ! そりゃまぁ、やらなきゃいけない事だから、サクサク済んだ方がいいけど。
「大丈夫。終ってすぐ帰れますよ」
 そんなに簡単なもんなのか?
「でも手術扱いですから、同意書に署名してください」

 光凝固(レーザー治療)術。網膜裂孔自体は回復しないが、孔の周囲をレーザーで溶接して、周辺の網膜剥離予防のために行う。
 点眼麻酔をして、椅子に座った状態で、視力や眼圧の検査をする時のと同じような機械に顎をのせると、頭をベルトで固定され、眼球に医師に吸盤のような覗きレンズをつけられ眼球の動きを半固定される。そのまま正面を見ているが「レーザーが外れると危ないのできょろきょろしないで」と言われたので、完全固定ではないようだ。しかしかなり制限される。ゼリー状のものを塗られてからなので、眼球を触られている痛みはない。ハードコンタクトレンズを着用している程度の違和感。
 約15分間で40発くらい。痛いのを覚悟していたが、ほとんど痛みなし。レーザーを発するたびに後頭部にかすかな重たさみたいなものを感じるが(本当は目の奥なのだろうが)、その程度。まったく苦ではない。最近の装置は痛みをあまり伴わないような方式なのだそうだ(個人差があるようで、ネット検索しても、凄く痛かったという人とまったく痛くなかったという人がいろいろいる、また、施術する医師の腕にもよるそうだ)。
 術後2時間くらいは、わずかな鈍痛があったが、それもなくなった。

 視界の曇りや細かい飛蚊症は、術後4〜5時間経過した頃に急に激減したような気がする。
 治療当日は、入浴も飲酒もいい。コンタクトレンズ装着も、翌日から大丈夫。
 費用は、今回受診したJ大病院では国保の3割負担で31,220円(消費税8%込み)。両目だったり剥離があったりだともっと高くなるのだろう。

 レーザー治療から2日経過した現在の視界再現イメージ。上から、通常の視界、左目だけで見た視界、両目で見た視界。(クリックで大きく表示)
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 これは晴天の写真。左上のもやもやは、裂孔とその周囲のレーザー手術箇所が映るための濁りだという。飛蚊症ともやもやはもう少し薄くなるだろうが完全には治らないそうだ。
 右を見ると、このもやもやも右に移動してくるが、幸い端の方なので、日常生活・机上での設計の仕事には影響ないレベルにまで回復した。

 網膜裂孔〜剥離は目の老化現象で、しかたのないことだそうだ。歳とともに水晶体の萎縮が起こるが、その時に網膜との癒着が大きいと網膜を引っ張ってしまう。50歳前後から上の人の多くは発症の可能性が高いのだそうだ。
 強度近視(左右共裸眼視力0.02)なのでさらに衝撃に弱くなっているので、相撲やサッカーなど激しい運動は今後一生やるなと言われた(元々やらないので問題ない)。

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