粋(いき)は深川、鯔背(いなせ)は神田

 先日、ふいに、20年くらいまえにテレビで放送されたドラマを思い出した。
「大江戸神仙伝」って作品。
 ネット検索したけど、ビデオ化されてなさそう。
 代替策として、アマゾンで探してみたら、原作本が見付かった。

大江戸神仙伝
石川 英輔
4061831178
 うぉ。石川さんだったのか!
 以前、職場の研修で、環境問題について、石川さんの講義を聴いたことがある。
 その時のテキストに含まれていたのが、氏の著作1点で、雑学としても興味深く読ませていただいたのが、この「大江戸えねるぎー事情」
大江戸えねるぎー事情
石川 英輔
4061854313

 それはともかく、「大江戸神仙伝」を購入して、読んだ。

 主人公・速見は、元製薬会社研究員のフリージャーナリスト。突然250年前に転時(タイムスリップ)して、江戸時代で生きていく。
 現地では重病だけど昭和ではビタミン不足が原因と判明している脚気の特効薬を提供したことにより、信頼と尊敬を受ける。
 まぁ、それが大まかなストーリーだが、作者の石川さんが、江戸時代のエコロジーについての研究者ということで、そっち方面の描写に力を注いでいる。
 各章は、主人公の一人称による描写と、それを補足する解説風のが交互になっていて、小説というよりは、江戸時代の風俗を楽しもうという感じ。

 予想通り面白くて、一気に読んでしまった。

 江戸時代中期は、浅草あたりはまだまだ辺境だったとか、現在普通につかっている「〜です」ってのは下賎の言葉だったとか、知識としては知っていたけど実感が湧かなかった事柄が、少しは実感に近づいた気がする。

 ちなみに、かつてドラマ化された時は、主人公役は、滝田栄さんだったと思う。これ、もう一度見たいなぁ。

コメント

  1. マンガー より:

    『大江戸神仙伝』ですか。ドラマも原作もみたことないのですが、面白そうですね。
    しかも江戸っ子のびといんさんならさらに面白く読めるんでしょうね。
    マンガでは『JIN』っていうマンガで現代の医者が江戸時代にタイムスリップってのがあるんですが、この作品の影響も受けてるのかなあ?

  2. びといん より:

    マンガーさん江
     厳密に町奉行管轄の江戸は、東は大川(隅田川)が堺だったんですよ。つまり、うちの周辺、深川や本所なんかは、その外だったんですね。
     江戸時代中期は、このあたりは、飛び地とかいわゆる独立行政府みたいな扱いだったそうです。
     江戸に限らず、地元の風俗を再確認するのって、楽しいです。

     マンガの「JIN」、今度探してみますね!

  3. すしバー より:

    なんとなく、記憶にあるんですが、
    滝田栄が、米糠をこねるシーンがりませんでしたっけ?
    多分、そのドラマじゃないかと思うんですけど。

  4. びといん より:

    すしバーさん江
     あったかも知れません。
     俺もドラマの記憶はあやふやなんですよ。