納骨

 昨日の15日。新しく建てた墓に、親父の遺骨を納めた。亡くなってから5年。ずいぶん待たせたな。
 何も残してくれなかった親父。いや、別に何かを期待なんかしてなかったので、それは構わない。そのかわり、俺も何もしてやらない、と……最初はマジにそう思った。
 しかし、お袋が「墓を建ててくれ。もちろんお前の名義で、お前の家の墓で。だけど、そこにお父さんも入れてやってくれないか」と言って来た。
 親父にあれだけ苦労させられたお袋が、そう言ってくるのなら、しょうがない。
 親父が意識不明になる間際、全身にガンが回って、ろれつもまわらない口でヨダレをたらしながら「今まで、苦労かけたな。すまなかった」と言ったそうだ。それまでは一度も謝ったことが無かった親父が。だから、それでお袋は、親父を許したそうだ。
 俺は、親父を許せない。だが、お袋には、これ以上の苦労はさせたくないからな。お袋のために、弟と半分ずつ負担して、我が家の墓を建てた。

 親父よ、お袋に礼を言えよな。

2003/05/17

都営霊園に見学に行ってきた。駅から1.5キロ。歩くのに少し疲れる。
しかし、園内の雰囲気は良い。入口近くは、開園が古いので、ちょっと荒れているような気がしないでもないが、奥の方の新しい区画は、整然としているし、所々にある四阿の周辺では、近所の子供が、遊んでいるし、犬の散歩やジョギングをしている人も見かけた。
肝心の墓参客はほとんど居なかったが、たまたまそうだったのだろう、と思いたい(笑)。
霊園部分には高木が少なく、明るい雰囲気で、気に入った。弟と俺は、洋風の芝生墓地区画が気に入った。
俺の息子は大きな墓石が立ち並ぶ一般区画が気に入ったようだが「初代のおじいちゃんから数えると、お前は三代目なんだから、お父さんとおじちゃんが相談して決めたお墓で我慢しなさい。自分でお金ができたら、自分のために自分で好きな墓を建ててもいいよ」と言っておいた。
セコいかも(笑)。でも、子供だからといって妙に諭したり甘やかしたりごまかしたりは一切せず、俺の本音で言いくるめた。
いずれにしても、公募抽選に当たらなければ、入れない。
四十九日法要では、この霊園に遺骨を一時預かりしてもらう手続きをして、とりあえずの納骨とする。