納骨

 昨日の15日。新しく建てた墓に、親父の遺骨を納めた。亡くなってから5年。ずいぶん待たせたな。
 何も残してくれなかった親父。いや、別に何かを期待なんかしてなかったので、それは構わない。そのかわり、俺も何もしてやらない、と……最初はマジにそう思った。
 しかし、お袋が「墓を建ててくれ。もちろんお前の名義で、お前の家の墓で。だけど、そこにお父さんも入れてやってくれないか」と言って来た。
 親父にあれだけ苦労させられたお袋が、そう言ってくるのなら、しょうがない。
 親父が意識不明になる間際、全身にガンが回って、ろれつもまわらない口でヨダレをたらしながら「今まで、苦労かけたな。すまなかった」と言ったそうだ。それまでは一度も謝ったことが無かった親父が。だから、それでお袋は、親父を許したそうだ。
 俺は、親父を許せない。だが、お袋には、これ以上の苦労はさせたくないからな。お袋のために、弟と半分ずつ負担して、我が家の墓を建てた。

 親父よ、お袋に礼を言えよな。