たばこ屋のばあさん
掲載 2008年十二月二十八日
初出 1990年
びといんねっと
自家製本詩集「1966」(1993/06)収録より
横書きで読むなら、下記の追記を。縦書きで読むならこちら(縦書き文庫)。
たばこ屋のばあさん
掲載 2008年十二月二十八日
初出 1990年
びといんねっと
自家製本詩集「1966」(1993/06)収録より
横書きで読むなら、下記の追記を。縦書きで読むならこちら(縦書き文庫)。
なんか、急に思い出した。
もう30年以上前だと思う。小学校1年かそこいらの頃。
空き地で友達とケンカしてたんだよね。
何が原因だったか分からないけど、たぶん、たいした事じゃないと思う。
もう、殴り合ったり、顔に砂叩きつけたり、それなりに乱闘だった。
そこを、近所の駄菓子屋のばあさんが通りかかったんだ。
「おい。あたしが行司やってやるから、相撲で決着つけな!」
ばあさんは、そう言ったんだけど、俺達は、また直ぐにつかみ合いを始めた。
そしたら、ばあさんは帰っていった。
と、思ったら、少しして戻ってきたんだ。
手にはコーラの空き瓶(当時はガラス瓶で、店に返却してた)を数本持ってて、
「うりゃっ!」
と、それを投げつけて来た!
瓶は足元で木っ端みじんだ。
すげー、恐かった。
で、ばあさんは、
「ほら。ガラス、はやく片づけろ」
と言って、ホウキとチリトリを渡された。
訳が分からないけど、もう、恐いので、無言で従った。
その後、ボロボロの体になって、ばあさんに送ってもらって家に帰った。