柳家喜多八師匠、お疲れ様でした

 寝耳に水とは、まさにこの事。
 昨日5月21日夕方、ツイッターのタイムラインにあった投稿から、柳家喜多八師匠の訃報を知った。
 特に柳家/柳亭、古今亭を贔屓にしている俺としては、大いなる大打撃だ。
 誰か、師匠が寝ている布団の四隅を持って頭と足を入れ替えて呪文唱えてやらなかったのかよ……。

 いつもマクラではやる気がなさそうに「あたしゃ虚弱体質でして」って言うのが定番で、単なるネタだと思って大笑いしていたが……。

 喜多八師匠を知ったのは、ほんの数年前。テレビ番組「TBS落語研究会」で見てから。

 その時の演目が「死神」で、やる気のなさそうな虚弱体質キャラでのマクラから本編での死神登場のくだりまで、スムーズに入り込めた。
 死神は最初はやる気なさそうな飄々とした感じだが、しかし、噺が進むにつれ凄さがます。そして最後は落語ではあまり多くはない「救われない」結末。
 喜多八師匠の風貌とキャラクタに見事にマッチした快作だった。
 すっかり喜多八師匠のファンになっちまった。

 前述のように、師匠を知ったのがつい最近であるため、いつから虚弱体質キャラを演じていたのかはわからないが、近年は、身をも芸に取り込んでいたのかなぁ。

 ついぞ生の口演を聴けなかったのが悔やまれる。

 柳家喜多八師匠、お疲れ様でした。
 あじゃらかもくれん、きゅうらいす、てけれっつのぱぁ!


かなり久しぶりの寄席見物、新宿末廣亭へ

 鴻池の猫兄に誘われて、新宿末廣亭に行ってきた。

 14時半頃、昼の部の中入りちょっと前に入場して夜の部トリまで見物。末廣亭は、独演会などの特別演目以外の時は昼夜入替なしで、通しでいられる。2800円で半日フルに楽しめるたぁ、安い娯楽だよね。さすがは庶民の文化。

 この十月上席では、好きな噺家さんのひとり柳亭市馬師匠の噺を楽しみしていていたのだが、初めて生で見た市馬師匠は身体が大きく(テレビ出演などで大きいとは知っていたが、予想を超えていた(笑))、巧さと相まってどっしりと安定した噺を聴かせてくれた。
 市馬師匠の少し前に、柳家喬太郎師匠の代演で俺の一番贔屓《しいき》古今亭菊之丞師匠が登場! これは予想外だったので嬉しかった。綺麗な江戸言葉と迫力ある動きで、相変わらずの凄まじい高座を見せてもらった。
 かつて中学・高校の頃に落語にはまっていた時にも大活躍されていた三遊亭金馬師匠の高座を見られたというのも嬉しい。まだまだお元気そうでなにより。

 入った時は動物ものまねでおなじみ江戸家猫八師匠が演っていた。当代も円熟味が増し、先代にそっくりになってきた。
 他のイロモノさんも映像で見るのとは違い、どなたも楽しかった。ライブ感って伊達じゃないね。

 この日は、川柳つくし師匠の真打昇進披露もあり(つくし師匠は落語協会で四番目の女性真打だそうだ)、夜の部主任(大トリ)もつくし師匠。出オチって訳ではないだろうが(笑)出囃子がビートルズの「イエローサブマリン」ってのでまず笑った。「ガーコン」一本の川柳川柳師匠の弟子ということで、どんな演目なのかと期待と不安があったが、ご自身で創作落語を多数作っているとのこと。この日も創作落語だった。女性らしい題材のいい噺だった。俺と同世代(プロフィールによれば師匠は俺のひとつ下)というのも勝手に親近感を覚える。真打昇進口上にめぐりあったご縁。追っかけてみようかな。
 ところで、つくし師匠は以前テレビで見た事がような気がするなぁと思っていたのだが、師匠が噺のあとに余興でやったウクレレ漫談「来世頑張れ〜」で思い出した! 師匠、別名で「エンタの神様」に出てたろ! (後日確認したら、やはり、マダムKANACO名義で「エンタの神様」や「笑点Jr」に出演しウクレレ漫談をやっていたとプロフィールにもあった)
 懐かしさでますます親近感(笑)。

 去年の春に、「ちりとてちん」をNHKオンデマンドで観て久々に落語熱が再燃し、菊之丞師匠の落語会には何度か行ったが、寄席は二十歳くらいの時に行ったきりで、今回が二度目。なので一応二度目とは言っても初めてに近く(笑)、新鮮な気持ちで楽しめた。
 あー、楽しかった。年内にもう一回くらいは寄席に行きたい。

 余談。
「ちりとてちん」がNHK BSプレミアムで久々に再放送される。月曜〜金曜の朝7:15。
 NHKオンデマンドで何度も視聴したが、BSの高画質で本放送当初のような放送ペースで観られるので、こちらも楽しみ。


納谷悟朗さん、お疲れさま

 また「俺の昭和のヒーロー」が鬼籍へ入られた。

 俳優・声優の納谷悟朗さんが3月5日にお亡くなりになったそうだ。
「ルパン三世」の銭形警部役は、幅広い年代に知られた代表作だろう。俺らの世代では、「仮面ライダー」のショッカー首領、「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長。どれも——長寿シリーズやリメイク等が多く、世代交代は仕方のない事だが——納谷さん以外には考えられないキャラクタだし、納谷さんがキャラクタのイメージを作り上げたというのは紛れもない事実だ。「風の谷のナウシカ」のユパ、「銀河鉄道999」のドクター・バン(メーテルのペンダントの声)、「クラッシャージョウ」のコワルスキー大佐も強く印象に残っている。
 もう少し上の世代だと——俺は不勉強で、かろうじて知っている程度だが——洋画のジョン・ウェインやクラーク・ゲーブルの吹替だろうか。

 前述のように、アニメキャラクタや洋画の吹替は、代役や勇退・引継ができる。後継者の演技も大好評という事も少なくないだろう。
 だがしかし、あの愛しきダミゴエ(もちろん褒め言葉です)の納谷さんは納谷さんにしかできない。

 納谷悟朗さん、お疲れさまでした。謹んでご冥福をお祈りします。


石川進さん、お疲れさま

 歌手・声優の石川進さんの訃報を知ったのは、今日のお昼。10月29日に享年79歳で亡くなったそうだ。
 昨年くらいまではアニメソングの特番などに出演され、まだまだお元気だなぁと思っていたのだが……。

「キューピーちゃん」の愛称で親しまれ、元々はハワイアンバンドやムード歌謡グループで活動していたそうだが、俺はその時代は知らない。
 数々の“テレビまんが”(ここではあえて「アニメ」ではなく、こう呼びたい)の主題歌や吹替えで、氏の特徴的な愛嬌のある声に親しんだものだ。

 俺の中でとりわけ印象に残っているのは、「ど根性ガエル」の主題歌(初作の「ピョコンペタンピッタンコ〜」ってやつね)と、「クレクレタコラ」の主題歌。それに、海外アニメ、ハンナ・バーベラの「スーパースリー」の主題歌及び「フリー」役。
「クレクレタコラ」はともかく(笑)、「ど根性ガエル」と「スーパースリー」は小学生の頃に再放送で何度となく見たテレビまんがだ。俺と同世代以上の方なら解ってくれると思うが、ビデオだのDVDだのという家庭用のレコーダがない時代なので、放送がある時は——まぁ、当然子供だったと言う事もあるが、けっして大袈裟ではなく——脳裏に焼き付けるかのように食いついて見ていたものだ。

「(平面ガエルのピョン吉さまはケロケロケロとは鳴かないで)根性、根性、ど根性。泣いて笑ってけんかして」
 この一節は、今思うと、小中学生男子の日常を端的に表しているように思う。それを石川進さんのあの声でユーモラスに歌われる事で“自嘲や照れ”も加味されていて素晴らしい、と言ったら深読みしすぎかな。

「スーパースリー」は俺が生まれる直前くらいの作品だが、前述のとおり何度も再放送されていて、人気があった。石川進さんが担当した「スイスイのフリー」はオカマっぽくオネエ言葉を喋るキャラクタで、当時のテレビまんがとしてはちょっと異質だったが、これはアメリカでのオリジナルではフリーだけイギリス英語で喋るのに倣っての設定だそうだ。そのオネエ言葉が氏の声に似合っていたなぁ(笑)。

 俺達の世代は、物心ついた頃から石川さんのテレビまんがでのご活躍に接することができて、幸せです。今まで、夢や希望を与えてくれてありがとうございます。

 石川進さん、お疲れさまでした。謹んでご冥福をお祈りします。


古今亭菊之丞師匠に惚れた!

 先日、“鴻池の猫”兄に誘われて落語会に行ってきた。両国のちゃんこ料理屋「吉葉」で開催された「吉葉寄席」というもの。
 毎回定員50名の予約制で、落語を聴いたあとは、噺家さんを囲んでちゃんこ鍋で懇親会。
 まず最初に言ってしまうと、とても楽しく、ちゃんこ鍋も旨く、大満足だった。

 プロの噺家さんの落語を生で聴くのは、二十数年前に上野の鈴本演芸場で経験して以来の二度目。だが、超久し振りのうえ、あの当時はそれほど興味もなく無料招待で行ったので、実質的には今回が初めてに限りなく近い。

 今回の高座は、古今亭菊之丞師匠。失礼ながら正直に言う。誘われるまで知らなかった噺家さんで、慌ててググり、プロフィールやら高座の動画やらを拝見した。そしたら、これがまた歌舞伎の女形でもやっているのかとも思える、スマートな色男。落語初心者の俺が言っても信憑性がないと思うが(笑)、しかし、短い噺の動画を一席観た限りでも「めちゃくちゃ巧い!」と感じた。
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古典落語を聴く日々

 前《さき》の記事の通り、上方落語を題材にしたNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」にはまり、その延長で、本物の古典落語を聴き始めている。まずは劇中に登場した演目や超有名な演目からあたってみた。

 桂枝雀師匠の「愛宕山」。この噺は上方と江戸でまるで違う演出で伝承されてきたらしい。それを比較して確かめたいので、春風亭昇太師匠版も。
 桂米朝師匠の「地獄八景亡者戯」。
 他には、柳家小三治師匠や古今亭志ん生師匠で、「時そば」「芝浜」「饅頭こわい」「船徳」「あくび指南」などの、かつて何度か聴いた事がある有名でとっつきやすい演目を。

 しかし、えーと、まだ単純に「聴いて大笑いしている」状態で、「落語について」語れるほどではないので、その辺は、もう少し勉強してから改めて。

 ともかく、落語のCDもiTunes/iPhoneに入れて、外出時でもよく聴いているわけだが、音楽をシャッフル再生した時に、途中で落語も再生されちゃった時は、吹いた。
 サザンオールスターズ「愛の言霊」の次に古今亭志ん生「妾馬《めかうま》」がかかった時には「お。iPhoneって解ってるねぇ!」と思い、それはそれで面白いが、さすがに変だよなぁ。
 落語はメディアの種類を「オーディオブック」にすればいいのか? でもそうするとiPhoneでリスト表示された時に、演目名が出ない。「ジャンルが落語以外」というスマートプレイリストを作るか?……とかとか、ちょっと悩んだが、なんのことはない。各曲の設定で「オプション」ペインに「シャッフル時にスキップする」って項目がちゃんとあったんだね(笑)。

 と、サゲもなくおしまい。


暗殺者役から斬られ役へ

亀治郎、暗殺者役から一転! 龍馬と共に“斬られ役”〜『JIN』追加キャスト発表」(ORICON STYLE 2011.03.23)というニュース。

 歌舞伎役者・市川亀治郎が、TBSの開局60周年を記念して放送される大沢たかお主演のドラマ『JIN -仁-』(毎週日曜・夜9時〜)で、坂本龍馬の盟友・中岡慎太郎を演じることがわかった。昨年、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK総合)で龍馬暗殺の実行犯を演じた亀治郎が、奇しくも今回は龍馬ともに暗殺される“斬られ役”を務める。このほか新キャストとして俳優・佐藤隆太、アーティスト・宮沢和史 (THE BOOM)、そして元五輪の競泳選手・藤本隆宏らも発表されている。

 昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」では、龍馬と慎太郎の暗殺実行犯・今井信郎役を好演していた市川亀治郎さんが、今春から第二部が始まる「仁−JIN−」では中岡慎太郎を演じると。ってことで「暗殺者役から斬られ役へ」か(笑)。
 亀治郎さんの演技は好きだけども、慎太郎のイメージではないなぁ。龍馬の内野聖陽さんがはまり役だっただけに、ちょっと心配ではある。
 まぁ、何だかんだ言っても、今回も毎週楽しく見せてくれる良作になるだろうと期待している。

 楽しみでありんす。


谷啓さん、お疲れさま。

 あまりにも突然で、びっくりした。

 谷啓さんといえば、俺のなかでは、小学高学年から中学の頃に土曜日のお昼に放送していた「笑って笑って60分」での印象が強い。
(ハンダースやら、「小松の親分」についても語りたいのだが、それは別の機会に(笑))
 その「〜60分」の音楽コーナーで「谷啓とザ・スーパーマーケット」としてバンド演奏され、谷さんのトロンボーンのかっちょよかったこと。それまで谷さんのコメディアンという側面しか知らなかったし、親父の影響で——当時は——なんとなく好きでテレビでやるたびに一緒に観ていたクレージー映画でも、谷さんは、ハナ肇さんや植木等さんにいじめられる役ばかりだったけど、「〜60分」ではバンマスとして堂々としておられ、いたく感動したものだ。
 これをきっかけに、当時のコメディアン——の大御所——の多くが元はバンドマンとか振付師とかストリップ劇場の座付き作家だったりというのを知って、遅ればせながら、自分が生まれた頃の「エンターテーメント」に対してとても興味を持つようになった。

 余談だけど、中学前後の多感な時期に、小説「竜馬がゆく」、小説「幻魔大戦」、「中原中也詩集」、「3年B組金八先生」、「機動戦士ガンダム」、そして前述の谷啓さんについての云々に触れたのが、今の俺の趣味嗜好(思考/指向)に大いに影響しているというのは、俺を知っている方々には納得していただけるだろう(というくらいに単純なんだよ、俺は(笑))。

 余談だけど(その2)、この記事を書いている途中、テレビ番組で、青島幸男さんの葬儀で谷さんが「谷だ……谷だ……(返事が)返ってきませんね……」って言ってるシーンが流れた(涙)。

 閑話休題。

 もちろんクレージーの面々はみな大好きだが、谷さんのお人柄や、ボケかた(というか突っ込まれかた、いじめられかた)の演技が好きだった。

 報道によると、自宅での不慮の事故らしい。突然逝ってしまうのはあまりにも残念だけど、これも谷さんらしいかなとも思う。

 今頃、ハナさんや植木さんにいじめられてるのかなぁ(笑)。
「青島だぁ〜」と返してもらえたことでしょうね。
 青島さんの脚本《ほん》で、なにか新作を練っているかも知れないね。

 谷啓さん、ご冥福をお祈りいたします。


桑田佳祐さん、早くよくなって!

 桑田佳祐さん初期の食道がん 全国ツアーをキャンセル(asahi.com 2010.07.28)

 サザンオールスターズのボーカル桑田佳祐さん(54)に初期の食道がんが見つかったと28日、所属事務所が発表した。「幸いにも早期発見により初期段階での治療で済む状態」という。

 8月中に入院し、手術する予定だ。療養のため、10月20日の新アルバム発売を延期し、10月28日から年内いっぱい予定されていた全国ツアーのスケジュールもすべてキャンセルする。新シングルは予定通り8月25日に発売する。

 桑田佳祐さん……サザンオールスターズといえば、俺が中学生の頃のデビュー以来、ずっとファン。
 最近、TwitterのTL(タイムライン)でも仲間と共感しあったのだが、桑田さんの作詞・作曲は希有の天才だと思う。
 軽妙に韻をふんだ小気味良いちょっとエッチな詞。俗っぽくいえばそれまでだが、桑田さんは、ちゃんと女性の事を大切に思い、男女というもの——と敢えて言わせていただく——を素晴らしい事だと理解されている方だと思う。一見すると悪ふざけっぽいけど、そういう事をきちんとしたうえでのふるまいで、男がみてもあこがれる、かっちょいい人だ。
 バラードから激しい曲まで、なんでも巧みに作ってしまう、すばらしき才能。

 食道がんということで、仕事柄もっとも大切な咽については心配だが、これはもう、大丈夫だと信じて待つしかない。
 新作アルバムの発売延期もちょっとさびしいけど、今までのたくさんの曲を聴いて待ってます。
 桑田さん、大変でしょうけど、ゆっくりしっかり治療・養生して、またお元気に復活されるのを心から祈ってます。


藤田まことさん、お疲れさま。

 去る2月17日朝に、俳優の藤田まことさんが逝去された。
 昨日、ツイッターのタイムラインでその訃報を目にした時は、「ソース(信用できそうな情報元)出ないでくれ……」と願ってしまった。まじに。

 俺にとって、藤田さんといえば、もう中村主水につきる。物心ついた頃から……と言ったら大袈裟だが、小学生の頃から見ていた「必殺シリーズ」の代名詞と言っても過言ではないキャラクターの主水は、格好良かった。
 昨年前半の「必殺仕事人2009」にも出演され、確かにかつての「キレ」は無くなっているなぁというのは否めないながらも、痛々しさというのは無く、やはり「必殺」の顔として、大きな存在感を持っていたのが嬉しかった。

 ともかく、好きな役者さんが、また逝ってしまった……。

 ご冥福をお祈りします。