落語番組は「TBS落語研究会」がダントツだと思う

 今年の晩春というか初夏というか、まぁそんな時期にNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」をNHKオンデマンドで初めて視聴し、その流れですっかり落語にはまっているのは、ここでも何度か書いているとおり。

 主に、テレビの「TBS落語研究会」を楽しんでいるが、これが実にいい番組。
 本放送というのだろうか、最新のは地上波TBSで月1回の放送で、1時間枠で1席。演目の前後には京須偕充さんの解説(聞き手はTBSのアナウンサー)がはいるのだが、この解説が解りやすく丁寧なのはもちろん、京須さんの落語に対する愛情を感じる温かいもので、実にいい。
 1〜2週後のBS-TBSやTBSチャンネル1(CS)での放送時は、2時間枠で2〜3席になり(解説は地上波と同じ最初の1席のみ)、それ以前の分の再放送もランダムに(?)頻繁にやっている。

 この番組に登場する噺家さんは、——そりゃ贔屓の流派や噺家さんもいるので好き嫌いはあるけれど——どなたも「さすが」というかたばかり。毎回、長めの演目をじっくりと聴かせてくれるので、千葉テレビで放送している寄席中継番組「浅草お茶の間寄席」や、NHKの「日本の話芸」も観ているが、それらより充実感を味わえる。
「お茶の間寄席」は寄席の雰囲気が感じられるので良い(案内役の田代沙織さんも良い!(笑))のだが、いわゆる定席ゆえに各演目は十数分と短い。「話芸」ではまくらがカットされていて興ざめしてしまうことが時々ある(編集が巧妙ならまだ良いのだが、インタビューに答えている人の言葉をカットしている時によくあるようにコマ落ちっぽくなっていることがあるのだ)。

 先日も、BS-TBSで再放送された柳家小三治師匠の「野ざらし」を観たが、この噺のフルバージョンを初めて聴いた。今まで聴いた事があるのは、八っぁんが調子に乗って釣り針を自分の口か鼻に引っ掛けて痛がる所までってのばかりだった(高校生の頃に持っていた古典落語の文庫本で、サゲまでの筋は知っていた)。
 そんな訳で「研究会」では、小三治師匠の“ぼやきまくら”や喜多八師匠の“かったるそうなまくら”も堪能できる。って、もちろんまくらだけじゃねぇけど、俺はこのお二人の「ヤナギまくら(笑)」と、そこからネタへの流れ方や引込ませ方が大好きで(笑)。

 落語に興味があったら、ぜひ「TBS落語研究会」をご視聴あれ。深夜の放送なので、録画必須かもしれないが、損はないと思う。特にBS放送のが演目数が多いのでオススメ。

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