谷啓さん、お疲れさま。

 あまりにも突然で、びっくりした。

 谷啓さんといえば、俺のなかでは、小学高学年から中学の頃に土曜日のお昼に放送していた「笑って笑って60分」での印象が強い。
(ハンダースやら、「小松の親分」についても語りたいのだが、それは別の機会に(笑))
 その「〜60分」の音楽コーナーで「谷啓とザ・スーパーマーケット」としてバンド演奏され、谷さんのトロンボーンのかっちょよかったこと。それまで谷さんのコメディアンという側面しか知らなかったし、親父の影響で——当時は——なんとなく好きでテレビでやるたびに一緒に観ていたクレージー映画でも、谷さんは、ハナ肇さんや植木等さんにいじめられる役ばかりだったけど、「〜60分」ではバンマスとして堂々としておられ、いたく感動したものだ。
 これをきっかけに、当時のコメディアン——の大御所——の多くが元はバンドマンとか振付師とかストリップ劇場の座付き作家だったりというのを知って、遅ればせながら、自分が生まれた頃の「エンターテーメント」に対してとても興味を持つようになった。

 余談だけど、中学前後の多感な時期に、小説「竜馬がゆく」、小説「幻魔大戦」、「中原中也詩集」、「3年B組金八先生」、「機動戦士ガンダム」、そして前述の谷啓さんについての云々に触れたのが、今の俺の趣味嗜好(思考/指向)に大いに影響しているというのは、俺を知っている方々には納得していただけるだろう(というくらいに単純なんだよ、俺は(笑))。

 余談だけど(その2)、この記事を書いている途中、テレビ番組で、青島幸男さんの葬儀で谷さんが「谷だ……谷だ……(返事が)返ってきませんね……」って言ってるシーンが流れた(涙)。

 閑話休題。

 もちろんクレージーの面々はみな大好きだが、谷さんのお人柄や、ボケかた(というか突っ込まれかた、いじめられかた)の演技が好きだった。

 報道によると、自宅での不慮の事故らしい。突然逝ってしまうのはあまりにも残念だけど、これも谷さんらしいかなとも思う。

 今頃、ハナさんや植木さんにいじめられてるのかなぁ(笑)。
「青島だぁ〜」と返してもらえたことでしょうね。
 青島さんの脚本《ほん》で、なにか新作を練っているかも知れないね。

 谷啓さん、ご冥福をお祈りいたします。

コメント

  1. 伊作 より:

    泣いた。

  2. びといん より:

    伊作さん江
     つたない文章ですが、今の素直な気持ちです。