劇場版の、いわゆる「新訳Zガンダム」のサイドストーリーの完結編。
機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより (2) | |
富野 由悠季 ことぶき つかさ
角川書店 2007-01-26 |
この巻は、いくつかの悩みを抱えている(引きずっている)カイがミライに会いに来た所から始まる。
そして、解決の糸口を見つけたというか、踏ん切りをつける。
ラストは、映画と同様、セイラと会って、まぁ、それについて補足みたいな感じで完結するわけだが。
「新訳Z」に添っているので、シャアのダカール演説とかディジェとか、アニメ本編でバッサリカットされた部分を、うまいこと補完している。それは「カットされた部分はTV版で補完」という安易な事ではなく、かといって大胆すぎるアレンジでもなく、まさに「新訳Z」らしい解釈がなされていた。
もちろん、このコミックの主役はカイであるので、それらにカイが絡んでいく訳だが、なんか、違和感なさすぎなんだよね。大袈裟かもしれないけど「劇場版Zにこういうシーンがあったなぁ」と一瞬思い込んでしまうくらい違和感がない。言葉を変えれば、説得力がある新解釈なんだよね。
カバーの装丁。レイアウトは1巻と同じなんだけど、そのカバーイラスト、1巻のカイは厳しい表情なんだけども、2巻のカイは、微かに微笑んでいる。これは、とりあえずグリプス戦役が終結し、カイの中の戦争もひとまず決着がついたということを表現しているのだろう。
でも、「ジオンを徹底的に叩く」彼の仕事は、まだ終わっていない。
MS戦闘シーンが全く描かれないガンダム漫画。しかし、カイ・シデンの魅力で、熱い物語が展開される。傑作だよな!
ぜひ、続編を描いてほしいなぁ。もし続いたら、きっと「逆シャア」に繋がるんだろうな(笑)。
カイ・シデン、もはや軟弱者じゃないぜ! 素敵過ぎる!
コメント
少佐さんもびといんさんもかなり推しているので
今度第一巻を購入してみようと思います。
やはり新訳Zがテーマゆえにジルやミリーやミハルのことには
触れてないんですかね。
カイはジルとミリーを探す為にジャーナリスト業を始めたと
裏設定があるみたいですけど…
somedayさん江
ジルやミリーやミハルについては触れられてないですね。
さらに、第1話は、完全オリジナルストーリーですし(でも、その第1話もかなりイイんですけど)。
ぜひ読んでみてくださいな。